
| 「熱帯魚の飼い方」のコーナーはこれから熱帯魚飼育をはじめられる方やはじめられてまだ間もない方を対象に自分の過去の経験から少しでも参考にして頂ければという思いで開設しました。 アクアリスト入門の一助になれば幸いです。 |
| まず必要なのが器となる水槽ですが水量が多くなるほど水質も安定しやすいのであまり小さなものよりも60cm規格水槽あたりが価格的にも割安で管理しやすいのではないでしょうか。 そして必要となるのが飼育水を循環し浄化するための濾過器。 濾過器には上部濾過、外部濾過、底面濾過などいろいろな方式のものがありますが濾材の洗浄などのメンテナンスのしやすさという面から考えると入門用には上部濾過器が扱いやすいでしょう。 また当然、濾過器の中には濾材を入れなくてはなりませんが飼育する魚の種類によってその好む水質も違ってきますのでそれに応じて使用する濾材の種類も考えて選択する必要があります。 熱帯魚にはその生息地に応じて弱酸性の水質を好むもの弱アルカリ性の水質を好むもの中性を好むものまたよくこなれた軟水を好むもの等、様々です。 ですから適切なアドバイスの出来る信頼できるショップでよく相談しその飼育魚に合った濾材を選んで適切な水質を作ってやらないとその後の飼育が難しくなります。 次に照明ですがそれぞれの水槽のサイズに合った専用の蛍光灯が市販されていますのでそれを使用します。60cm規格水槽の場合、20W蛍光灯が1本セットされたシングルライトや2本のダブルライトなどがありますが水草栽培をメインに考えないのならシングルライトでかまわないでしょう。また水草の種類によっては20W蛍光灯3本4本と必要になってきますが上部濾過器を使用する場合にはスペース的に設置不可能ですし、そのような種類の水草は二酸化炭素の添加も必要となります。あくまでもこのコーナーは入門編という事ですので高光量や二酸化炭素の添加を必要とする水草は使用しないという前提での説明に留めさせて戴きます。 そしてあと必要となるのが水温を確保するためのサーモスタットとヒーターです。最近ではサーモスタットとヒーターが一体になったものもありますが何れを使用されてもかまいません。ただヒーターが故障した場合、一体型ではヒーターのみ交換するというわけには行きません。またヒーターは必ずサーモスタットに接続し、直接コンセントに差し込むことのないように注意してください。水温がどんどん上昇し煮魚が出来上がってしまいます。水槽の水量に応じてヒーターのW数を選びますが厳寒地でなければ60cm規格水槽の場合100〜150W位のものでよいと思います。 またサーモスタットの設定温度は通常、摂氏24〜25度くらいですがこれも魚の種類によって差があり、例えばディスカスのようにもっと高水温を好むものまたアカヒレ(中国産)やロングノーズガー(カナダ産)など熱帯魚として扱われていても実際には熱帯の魚ではなくほとんど加温が必要のないものまであります。各種の飼育書にも適正水温が表示されていますのでご自分の飼育される魚について調べられると良いと思います。 また特に密閉式の外部フィルターを使用する場合や飼育魚が多い場合、また水草を多く入れている場合には消灯時に水草も酸素を必要とし酸欠状態になりますので水中に空気の泡を送り込み酸素を補給するためのエアポンプとエアストーンそれにそれらをつなぐエアチューブが必要です。 以上が熱帯魚を飼育する上で必要な主な器材ですがその他に水温計、ガラス蓋、水替え用のポンプ、バケツ、魚をすくうためのネットなどがあると便利です。 またこれは消耗品ですがいちいち水替えのたびに汲み置き水を準備するのも大変ですしコントラコロラインなど水道水のカルキを中和するための添加剤もあった方が便利です。 最後に水槽を設置する場所ですがしっかりとした水槽台に設置することをお勧めします。60cm規格水槽でも総重量が70〜80Kgになりますので家具などの上に置くと引き出しが開かなくなったりつぶれて倒壊する恐れがありますので充分注意してください。また大型水槽では床下の補強が必要になる場合もあります。 |
| 熱帯魚にも数多くの種類がいて成魚になっても数センチのものからショップで購入するときには数センチでも成魚になれば数mにまで成長するもの、肉食性のもの、草食性のもの、雑食性のものまた弱酸性の水質が適しているもの、中性の水質が適しているもの、弱アルカリ性の水質が適しているもの、単独飼育しか出来ないもの、群れで飼育したほうが良いもの、昼行性のもの、夜行性のものなど色々な性質を持った種類がいます。 それぞれの熱帯魚のもつ性質をよく研究して混泳魚を選ぶことが必要となります。 先ず第1条件として同じ一つの水槽で飼育を始めるわけですから混泳魚は同じ水質での飼育に適した種類の中から選択することが必要です。また将来的に大きくなる種類とそうでない種類を一緒にすると何ヶ月か先には片方が餌食になってしまうこともありますし、スマトラのようにエンゼルフィッシュやグラーミーなどの細長いヒレを見ると追い掛け回してつつくものやプレコのように夜になると動きの鈍い魚の体表を舐めてしまうものなど様々な特質をもったものがいます。 従ってすべての魚が安心して暮らせるように相性や特性を見ながら混泳魚を選択することが必要です。 無計画に購入すると後になって悲惨な結果を招いたり、また水槽を新たに追加しなければならなくなったりしますので後悔することのないよう自分がどんな魚を飼育したいのかをよく考えて計画しましょう。 |
| 飼育魚の候補が決まったらその魚種に合った水質を作るための濾材や底砂をセットしてカルキを中和した水を張り濾過器を稼動、水槽を立ち上げて熱帯魚受け入れの準備をします。 出来れば飼育器具を購入する際にショップにお願いして濾材の一部等を分けてもらいましょう。濾過細菌繁殖の種となり飼育水の完成を早めることが出来ます。 また最近では濾過細菌繁殖の源となるものが商品化されて各種販売されていますのでそれらを活用すれば水作りの期間が短縮されるでしょう。 数週間水を循環させてある程度水ができてくると白濁がすっきりととれて水が輝くようにすんできます。その段階でテストフィッシュとして丈夫な魚種数匹を入れて飼育し、出来れば亜硝酸試薬などで水の汚れが充分に分解できているかどうかを確認します。 水作りには1ヵ月位はかけるつもりで慌てずジックリと準備した方が後々の失敗が少ないでしょう。 |
| 水槽を立ち上げて水が出来上がったらいよいよ熱帯魚の飼育を始めることが出来ます。 しかし購入した熱帯魚をいきなり水槽の中に放流しては、水温やPHの急変からショックを起こして数日のうちにバタバタと死んで全滅してしまうといった可能性が大です。 水槽に放流する時にはジックリと水合わせをして新居の水に慣らしてから放ちましょう。 色々な方法があるでしょうが半魚人の部屋では次の方法で水合わせをします。 |
| まずは熱帯魚の入ったビニール袋をそのまま新居となる水槽に15分間ほど浮かべて袋内の水温と水槽内の水温を大体合わせます。 |
| ビニール袋のゴムをはずし、袋の余分な部分を捲り上げ、水に浮かべた状態の位置で洗濯バサミ等を使って水槽の縁に固定します。(口が塞がらないように注意) |
| 紙コップ等に水槽内の水を半分程汲みビニール袋の中へゆっくりと流し込む。 5分ほどそのまま放置し、また同じことを繰り返す。 |
| 袋の中の水が多くなりすぎたらその分の水を捨ててまた前の工程を繰り返す。 |
| 30分〜1時間位これを繰り返したら袋の口を静かに水面下に沈め熱帯魚が自然に出てゆくのを待つ。全部で1時間前後の工程になります。 |
| さていよいよ熱帯魚の飼育が始まりましたが熱帯魚たちの健康を維持するためには定期的な水替えが必要になります。 熱帯魚たちのエサの食べ残しや糞尿などのアンモニアや窒素分は濾過バクテリアが充分に繁殖して濾過がきいていれば最終的には魚たちにとって比較的無害な硝酸塩へと分解されます。 しかしこの硝酸塩も蓄積されてくると飼育水のPHを必要以上に引き下げると共に熱帯魚たちの健康に悪影響を及ぼすようになります。 ですからこの硝酸塩を取り除くために定期的な水替えを行います。 一般的には週に1回全水量の4分の1〜3分の1といわれていますが一度にあまり多くの水量を交換するとせっかく繁殖した濾過バクテリアを捨ててしまうことになりますし、PHショックを与えて愛魚を殺してしまうという結果にもなりかねません。 3分の1くらいが限界と考えた方が良いでしょう。 またこの時、注意しなければならないのは水槽内の水温と新しい水の水温を合わせることです。水温の急変も命取りにつながります。 また必要な水替えの回数や水量は収容されている魚の数、大きさ、与えている餌の種類や量などの飼育状況によっても変わってきます。出来れば試薬を使ってご自分の水槽のPH、亜硝酸濃度、硝酸塩濃度の変化のパターンをつかみ必要な水替え回数や水量を計画されると良いと思います。 また古い飼育水を汲み上げる時、底砂用のクリーナーを使って底砂の掃除をしながら排水した方が効率よく目的を果たすことが出来ます。 また濾材は洗いすぎても濾過バクテリアを捨ててしまうことになります。 しかし汚れすぎて目詰まりしてしまっては効率よく濾過することが出来ません。 洗浄は一度に全部の濾材を洗うのではなく少しずつに分けて日をあけて洗浄してください。 一度に洗ってしまうと濾過バクテリアが激減し正常な濾過が出来なくなります。 また洗浄は水替えの時に捨てる飼育水を使用し、水道水で洗ったりしないようにしてください。 |